「お金を働かせる10の法則」で資産運用の基本を学び、「マネーの公理」でその対極にある考え方を学んだ上で、お薦めする本があります。
それが、「内藤忍の資産設計塾」シリーズです。アセットアロケーションの重要性が分かりやすく書かれています。

2008年5月6日時点で三部作となっています。

(1)「内藤忍の資産設計塾」
(2)「内藤忍の資産設計塾 実践編」
(3)「内藤忍の資産設計塾 外貨投資編」

このうち、(1)「内藤忍の資産設計塾」と(2)「内藤忍の資産設計塾 実践編」の2冊を読めば、各資産クラスの特長とアセットアロケーションの重要性を理解することができます。

ただし、(2)「内藤忍の資産設計塾 実践編」は(1)「内藤忍の資産設計塾」と内容面において重複する部分が多いです。私は3冊すべて持っていますが、アセットアロケーションの考え方を理解するには(1)「内藤忍の資産設計塾」だけで十分と思いました。

(3)は外国株式や債券の指数などを知りたい方向けで、私は参考程度に読めば十分だと思っています。

銘柄選択(どの銘柄を買うか)よりもどのように資産配分するか(株式と債券の割合をどの程度にするか)が大切であることを、説得力あるデータを提示して説明しています。

「株式は個人投資家が最後に手をつけるべき投資対象」(「内藤忍の資産設計塾」46ページ)と明言しているところに好感が持てます。

しかし、注意しなければならないこともあります。

ここで示されているアセットアロケーションはあくまで著者が標準的なアセットアロケーションであり、絶対的なものではありません。

株式内での分散割合については、効率的市場仮説を前提として、現代ポートフォリオ理論(MPT)により理論的な配分が示されています。

しかし、各資産をどのような比率で持てばよいかについては理論的な解はありません。経験的にどの割合がベストだったかという意味において解はありますが、将来はその解がベストであり続けるかどうかは分かりません。

また、具体的に紹介されている金融商品が著者が所属するマネックス証券のものが中心となっているということも注意しなければなりません。

このシリーズが発刊された後にも、コストの低いファンドがいくつも販売されています。

アセットアロケーションを組むにしても、投資する金融商品については、自分自身で情報収集し納得のいくまで分析する必要があります。実際に投資するのは、それからで全く遅くありません。焦りは禁物です。

最後に私が実践経験を踏まえて付言するとすれば、意外にリバランスの作業は面倒です。評価損が生じている場合は、リバランスの作業が苦痛ですらありました。

もちろんコストは勘案しなければなりませんが、バランス型のファンドを一本買ってそれで終わりにしてしまうという考え方も十分成り立つと思います。